なぜ youthful days は「デジタルテクノロジー×農業」を選んだのか
私たちがこの領域を選んだ理由は、シンプルです。デジタルで価値を出し、農業に投資し、農業でも価値を出す。この循環を、事業としてつくりたいからです。きれいごとだけではなく、続けられる形で農業と向き合うために。いま自分たちが持っている強み(デジタル)を土台にして、農業に踏み出す。なぜ「デジタルテクノロジー×農業」が事業のテーマなのか。私たちなりの理由を、正直に書いていきます。
食は、人間の原点

人間は栄養を取らなければ生きていけません。科学が進歩した現代でも、食糧以外から栄養を得て生活することは、少なくとも多くの人にとって現実的ではないはずです。理論上は可能なのかもしれませんが、「人間らしい生活」という意味において、それを受け入れられる人は多くないと思います。世の中は便利になりました。けれど、便利になればなるほど、生活の土台にあるものほど見えにくくなっていきます。だからこそ私たちは、人間が生きるうえで原点となる「食」の重要性を、もう一度、世に問い直したいと思いました。農業って、もっと重要な存在なんじゃないだろうか。
この問いが、私たちの出発点です。
共通の強みであるデジタルテクノロジーと、感じていた違和感
youthful daysは2022年9月に佐藤、畔上の両名が発起人となり創業しました。創業メンバーである二人に共通していた強みが、デジタルテクノロジーの領域です。代表取締役の佐藤は、前職のコンサルティングファームで、システム開発や運用・保守といったIT案件に数多く関わってきました。取締役の畔上も、システムエンジニアとして現場を長く経験してきました。デジタルテクノロジーは、人の仕事を支え、負担を減らし、選択肢を増やす力を持っています。一方で仕事を続ける中で、二人とも同じ違和感を抱くようになっていました。それは、自分たちの仕事が、何を良くしているのかが見えにくいという感覚です。関わってきた多くの案件はBtoBの形式でした。お客様のシステムを開発し、改善する。確かに仕事をやり切った達成感はある。けれど、利用者の現場や、その後の変化に触れる機会は、どうしても少なくなりがちです。だからこそ、数字や手応えとして「良くなっている」は見えても、それが誰の負担をどう減らし、どんな選択肢を増やしたのかを、自分の言葉で語れるほどの実感にはなりにくい。この感覚が、私たちの中にずっと残っていました。私たちは「実感」を求めているのではなく、成果に責任を持てる距離で仕事をしたいのだと思います。そしてその姿勢こそが、結果としてお客様の現場にちゃんと届くデジタルをつくる力になると考えています。
原点としての農業
違和感を解消したいということも、私たちが youthful days を立ち上げた理由の一つです。そしてそのとき、自然と立ち返ったのが農業でした。私たち二人は農業系の大学を卒業しています。大学時代、農業に少しでも関わりを持っていなかったら、今のように農業に関心を抱くことはなかったかもしれません。
— 代表の個人的な体験の話です。 —
短期間だったとはいえ、自給自足に近い生活を経験すると、生きる力が湧いてきました。あの感覚は、私の人生に影響を与えたと思います。育てているものの成長が見えること。うまくいくことも、うまくいかないことも、手元に返ってくること。そういう“実感”が、時間が経っても自分の中に残り続けていました。
農業は、成果が実物として目に見えます。育った作物、収穫された実り、それを手に取る人の表情。良いことも、うまくいかないことも、すべてが現実として返ってくる。成果が見える。手触り感がある。その点で、農業はデジタルテクノロジーとは対照的な領域でした。そしてもう一つ。農業は社会課題が多い領域でもあります。農業従事者が減少していること、耕作放棄地が増加していること、食料自給率の低下が続いていることなど、国家の問題として改善が必要だと言われ続けています。それでも私たちは、農業には未来があると感じています。食はなくならないし、食を支える営みもなくならない。課題があるからこそ、向き合い方次第で価値が生まれる余地も大きいと思っています。
なぜ「デジタルテクノロジー×農業」なのか

私たちは、どちらか一方を選びたかったわけではありません。デジタルテクノロジーは、私たち二人の共通の強みであり、会社の収益基盤を安定させるための現実的な軸です。農業は、食という人間の原点に直結し、成果が現物として返ってきます。今まで積み上げてきた強みを活かしながら、同時に、手触り感のある成果に向き合いたい。その二つを両立させる形として、「デジタルテクノロジー×農業」という領域にたどり着きました。いまはまだ、両者が綺麗に交差している状態ではありません。ただ、最初から無理に混ぜるのではなく、続けられる形で土台をつくりながら、交差点を増やしていく方が現実的だと考えています。デジタルテクノロジー事業の収益を、無計画に農業の赤字補填に回すつもりはありません。まずはデジタルテクノロジーで稼ぎ、農業に投資し、農業でも稼げる状態を目指す。それが当面の私たちの課題です。
さいごに
私たちは、「農業を良くしたい」と言い切れるほどの経験はまだありません。だからこそ、先に“続けられる形”をつくっていきます。デジタルで価値を出して収益を生み、その力で農業の基盤を築く。そして農業も、事業として成立させていく。食は、人間の原点です。その原点に、事業として向き合う。私たちはそのために、「デジタルテクノロジー×農業」を選びました。